接骨院を開業するために必要なことは?資金について詳しく紹介

懸命に勉強して柔道整復師の免許を取得した方が、自分の接骨院を持ちたいと考えるのは当然です。そのために、接骨院に勤務して修業しながら開業資金を貯めている方も多いはずです。しかし、接骨院の開業にはどのくらいの資金が必要になるのか、理解しにくい面があります。接骨院を開業して順調に経営していくために必要となる開業資金について、詳細に紹介します。

1.接骨院の開業に必要な開業資金は?

接骨院を開業するために必要になる開業資金を大別すると、「初期投資」と「運転資金」になります。両方を合わせて開業資金と呼んでいます。開業資金は接骨院をどこの地区に、どのような規模で、どのような設備を備えて開業するかで大きく変わってくるのです。

また、女性をターゲットにするのか、高齢者を中心に施術するのかな、労災事故を対応するかなどでも変わります。さらに、どのようなコンセプトで接骨院を運営していくのか、営業方針でも開業資金に影響がでてきます。開業資金については全額自己資金で賄うのか、金融機関から融資を受けるのか、親族から借りるのかなど、開業資金の問題は簡単には解決できないのです。

1-1.接骨院開業は準備段階で時間がかかる

接骨院は開業するには、柔道整復師の資格取得が条件だけに、資格取得のための期間が3年~4年かかります。資格取得後は多くの方が修業期間を経験して、その間に開業資金の確保も行うようで、接骨院開業は大変な道のりです。接骨院開業まで時間がかかるだけに、入念な準備を重ね、開業資金を蓄えることが、無事に接骨院を開業できる流れといえます。次章以下で接骨院の開業資金について詳しく紹介します。

2.開業資金の「初期投資」を紹介

接骨院の開業資金の一つが「初期投資」です。初期投資は主に以下の4部門に分けられます。それぞれについて説明します。

2-1.店舗資金

店舗資金は接骨院を開業する店舗に関係する費用です。車で通院する患者さんのための駐車場費用も含みます。土地建物を取得して、自前の建物で開業することも可能ですが、土地建物全てを購入すると、地域にもよりますが数千万円以上かかることもあります。

賃貸物件で接骨院を開業する場合は、物件によりますが駅前のビルや商業施設では高額な保証金が入居条件です。さらに、前家賃や敷金、礼金に不動産手数料など、合計で100万円以上かかることは珍しくありません。

2-2.内外装資金

接骨院の内装資金は、接骨院の内装をこだわればこだわるほど高額になります。設計・デザイン・内装工事・外装工事とそれぞれの業者が異なる場合もあり、また、工事の規模を広げて大々的に行うと費用が大きく膨らみます。

2-3.什器・医療機器の費用

柔道整復を施術する際に、手技の施術と併用する医療機器が必要になります。また施術用ベッドに待合室のソファや、診療報酬明細書を作成するためのレセプトコンピュータも必須機器です。さらに、事務用机や椅子に施術時に使用する衛生材料やタオルなどのリネン類も大量に準備する必要があります。

2-4.開業告知の広告・宣伝費

接骨院を開業してもそのまま何もしなければ、簡単に患者さんは増えません。看板の設置やインターネットにホームページの作成、駅や通りに接骨院の案内を設置することも必要です。場合によればチラシの作成と配布も行いましょう。

2-5.初期投資は抑えることも可能

初期投資を無くすことはできませんが、抑えることは可能です。接骨院の物件を居抜きで引き継ぐと、大幅に初期投資が抑制できます。とくに院内設備をそのまま引き継げば、その部分の費用はほぼ掛かりません。また、接骨院の大きさや規模を小さくすることで、初期費用を抑えることはできます。

3.開業資金の「運転資金」を紹介

接骨院を開業しても、営業が軌道に乗るまでに時間がかかります。個別のケースで異なりますが、早くても3カ月から半年、場合によれば1年かかることもあり得ます。その間も一定の金額がほぼ毎月掛かるのです。

一般的に接骨院を開業してから軌道に乗るまでの費用を「運転資金」といいます。接骨院の主な運転資金には以下の項目があります。

・ 地代家賃(家賃・駐車場費用など)
・ リース料(レセコン・治療用機器など)
・ 通信費(電話代・FAX代・インターネット費用など)
・ 水道光熱費(水道・電気・ガスなど)
・ 宣伝広告費(看板維持費・ホームページ維持費・Web広告・チラシなど)
・ 組合費(協会費用・賠償責任保険等など)
・ 仕入れ代(衛生材料・テーピングなど医療消耗品など)

さらに、スタッフを雇用した場合は給与などの「人件費」も必要です。運転資金は接骨院の規模と開業後の人気によりますが、数十万円から毎月百万円ほど見込んでおきましょう。

3-1.保険治療の注意点

一般的に接骨院の売り上げの約60%~70%は健康保険が占めています。保険者へ請求した療養費は、請求してから3カ月~6カ月後の入金になります。開業直後から4カ月の期間の現金収入は、保険請求の窓口負担分と自費施術を行った売上だけです。また、施術の支払いをクレジッドカード払で認めると、実際に現金が入ってくるのは、1カ月~2カ月後になります。

4.融資で開業資金を調達する

接骨院の開業資金をすべて自己資金で充当して開業できる方は多くないはずです。開業資金が1千万円以上必要になることもあり、そのような場合は、自己資金で不足する部分を公的機関などから借り入れて調達する方法があります。

4-1.公的融資

公的融資とは市や県や国などの自治体が中心となって行う融資です。財務省が所管する「日本政策金融公庫」の融資や、地方自治体の一部で開業資金融資制度が用意されています。居住する市町村の新規事業担当窓口に相談してみましょう。

4-2.民間融資

民間融資は、銀行や信用金庫などの民間金融機関が行う融資です。融資される金額や、融資が認められる条件などはさまざまで、一般的にはその金融機関との取引実績がないと、大口の借り入れは難しくなります。

4-3.融資を受ける際に注意する点

融資を受けるときに注意点があります。注意すべきポイントを誤ると融資が受けられないケースもあり、注意が必要です。公的融資も民間融資も、融資の審査で「事業計画」を重視します。

信憑性のある具体的な収益計画がなければ、金融機関の融資審査で許可が出ることはありません。また、金融機関によれば一定割合の自己資金が必要要件となっているケースもあります。すべての金額を借り入れすることほぼ無理です。初期費用20%から40%程度の自己資金を用意しておくことは、スムーズに融資を受けるための必要要件です。

4-4.接骨院開業の専門家に協力してもらう

接骨院の開業はほとんどの方が初めてのはずです。開業準備を入念に行っても思いがけない問題点が現れることもあります。そのようなときは、接骨院や整骨院の開業サポート専門業者の力を借りるのがおすすめです。とくに、開業資金の融資などは提出書類が複雑で、融資が通りやすい書き方があります。

そのような際に、専門業者の協力は大きな後押しになります。失敗しない接骨院の開業のためにも、数多くの接骨院の開業例に携わった実績がある、開業サポート専門業者に相談することがおすすめです。

5.まとめ

接骨院の開業資金について紹介しました。日本では接骨院の数が5万件以上で、さらに増加しています。厳しい競争を求められるだけに、新規開業の接骨院は差別化を図る上で特徴を出すために、ある程度の開業資金が必要です。開業資金を上手に使い、接骨院を開業しましょう。

「ヒラタメディカルサポート株式会社」は、千葉県市川市にあります。医療機器の販売業・医療機器のリース/レンタル・整骨院・接骨院の開業支援などの業務を行っております。接骨院の新規オープンについては、院内レイアウトや機械器具設備に、資金計画までご相談を承る所存です。

整骨院・接骨院は増え続け、たいへん激しい競争環境です。そのような環境のもとでも、接骨院の新規オープンが成功されますよう、医療機器の導入や設備投資に開業戦略など、接骨院の開業についてご相談をおうけいたしております。どうぞお気軽に当社へご相談ください。