最新医療機器を設置している接骨院は人気が出る!導入のポイントなどを解説

本来、接骨院は手技で施術しますが、施術の効果をいっそう高めるために医療機器を設置している接骨院もあります。医療機器は日々進歩していて、柔道整復師の施術の補助的な立場ながら、柔道整復師の施術に劣らないほどの人気です。

しかし、医療機器は価格が高く、接骨院の開店時に新規で大量に購入する場合はかなりのコストになります。そこで本記事では、接骨院が医療機器を導入する際の機種や導入方法について紹介します。

 

1.接骨院の概要をおさらい

接骨院は国家資格を持つ柔道整復師が、骨折・脱臼・捻挫・打撲・筋腱損傷などの外傷を施術する、施術所です。手技により傷んだ箇所や関連する箇所を施術して、人間の持つ自然治癒力を喚起し、治癒させる施術法です。

主な施術は手技療法で、患部に機械的刺激を与え、損傷の早期回復を図ります。

1-1.柔道整復師とは

接骨院を開設できるのは柔道整復師の有資格取得者に限られます。柔道整復師は国家資格であり、資格は、大学または柔道整復師の養成学校で基礎医学を学び、骨折や脱臼などの柔道整復術を修めます。さらに柔道整復に関連する法律も学び、最終的に国家試験に合格することが条件です。

さらに柔道整復師の免許を取得するには、試験に合格してから柔道整復師法第8条の2第1項に則って柔道整復師名簿に登録することで、厚生労働大臣から柔道整復師の免許が交付され、柔道整復師と正式に名乗れます。

1-2.接骨院で行われる施術

接骨院では整復法・固定法・後療法の3種類の施術方法があります。「整復法」は、損傷で転位した骨や関節や軟部組織を元のあるべき位置に戻すための操作を手技で行うものです。

「固定法」は包帯・テーピング・サポーターなどを用いて、ダメージ受けた患部を正常な位置に一定期間保持し、運動を制限することで損傷の回復を図ります。「後療法(こうりょうほう)」は傷んだ組織を早期に回復させるために行う施術法で、手技療法・運動療法・電気療法の3つに分けられます。以下がそれぞれの詳細です。

1-3.後療法は3種類ある

後療法の手技療法は、物理的エネルギーを生体に作用させて、人間の自然治癒能力を機能させて正常化を図り、恒常性や維持機能を高める目的で施術します。運動療法は、運動機能の障害を可能な限り速やかに除去し、運動を取り入れながらダメージを受けた部分の機能回復と増進を図ります。リハビリや再発予防の効果も期待できるのです。

物理療法は低周波治療・光線療法・温熱療法・寒冷療法などがあります。患部に症状改善が見込める最適な電流を流し、患部の回復を目指すものです。電気療法では医療機器を使用する療法が多くみられます。

 

2.接骨院における医療機器について

接骨院は手技での施術が基本です。最近は施術効果の高い医療機器が開発され、手技の施術補助として使用することで、いっそうの施術効果が期待できます。また、施術の待ち時間に機器を使用してもらうことで、患者さんの満足度も高まるのです。さらに導入する医療機器の性能から、他院との差別化が図れることもあり、積極的に導入する接骨院も増えています。以下で人気の医療機器を紹介します。

2-1.電気治療機器

電気治療は、外部から体の内部に弱い電気を与えることで、神経や筋肉に電気的な刺激を加える治療法です。電気治療機器には低周波治療器(1~999Hz)や、中周波治療器(10000Hz~99,999Hz)、高周波治療器(10万Hz以上)まであります。施術内容に合わせて使用する機器を選ぶことが可能です。電気治療は血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。

2-2.湿性温熱療法機器

湿性温熱療法には、「パラフィン浴」や「ホットパック」に「過流浴」などがあります。パラフィン浴とは、パラフィン(ろう)を張って温めた槽の中に患部を浸ける施術を指し、パラフィン浴専用の医療機器が必要です。

「過流浴」は浴槽に浸けた患部に、噴射ノズルから発射される気泡を当てて刺激する施術です。「過流浴」も専用の医療機器が必要です。

湿性温熱療法機器は、血液の循環を促進し、筋肉の緊張を和らげる効能があり、自然治癒力アップも期待できるとされています。なお、湿性温熱療法は罨法(あんぽう)とも呼ばれます。

2-3.リラクゼーション機器

リラクゼーション機器としては、力強い刺激を加えられるウォーターベッド、心地よい全身マッサージが受けられるローラーベッド、空気圧を利用するメドマーなどです。手技の施術効果を高める手助けとして活用できます。

2-4.赤外線治療機器

赤外線医療機器は2タイプあり、皮膚の表層部で熱が発生する遠赤外線と、皮膚の深層部に熱を届けられる近赤外線があります。皮膚は赤外線の吸収が高く、軟部組織の伸張性低下・軟部組織損傷・疼痛・局所の循環障害・筋緊張亢進・末梢神経異常など、幅広い種類の不調に対し改善効果が期待できます。

2-5.超音波治療機器

超音波治療器は深層筋を直接刺激して、患部の緊張をゆるめ、痛みを軽減できる医療機器です。医療機器の中でも、体の深部にある深層筋まで刺激を届けられる能力を備えています。

超音波医療機器は、ぎっくり腰やスポーツ時のアクシデントなど、筋肉や靭帯のケガ治療によく用いられます。超音波は1秒間に100万回&300万回といわれるミクロマッサージで刺激し、同時に温熱効果を発揮します。患部を直接温めながら筋肉をゆるめることが可能で、患部の治癒を早める効果が期待できるでしょう。

 

3.医療機器導入方法

接骨院に医療機器を導入する場合、最大の問題は医療機器の種類により金額が高くなることです。そのため、導入にあたり資金を抑制できるさまざまな導入方法があります。以下で詳しく紹介します。

3-1.中古機器を導入

新品の医療機器は高額ですが、中古機器になると価格が大幅に低下します。人気が高い医療機器でもリーズナブルな価格で手に入れることが可能です。中古医療機器を専門に扱う会社もあり、選べば安い価格で人気機種が手に入ることもあります。

ただし、中古医療機器はメーカー補償がない場合もあり、医療事故発生時の対応や故障対応も事前に把握しておくことが必要です。

3-2.リースで医療機器を導入

リースで人気医療機器を導入する方法もあります。リースで導入すると、医療機器は固定資産にならず、リース料は経費で処理できます。

とくに初期費用を抑えたい方にリースはおすすめです。初期費用を抑えられることで、複数機器を導入することも可能でしょう。また、リースでは最新機器を導入することもできます。なお、基本的にリース期間中は中途解約ができないので、5年、6年など契約期間は使い続けることになります。

3-3.分割払いで導入

高額な医療機器を一括払いで購入するのを避けて、分割払いで導入できます。分割払いになると回数にもよりますが、毎月の支出を抑えながら、新しい医療機器が使用できるのです。

3-4.居抜きで接骨院を開設

あまり多いケースではありませんが、居抜きで接骨院を引き継ぎ、設置されている医療機器を使うことがあります。知り合いの柔道整復師から権利を譲り受ける場合や、仲介人が間に入り、居抜き物件を手にすることもできます。価格については個別のケースで違ってきますが、一般的に居抜き物件は、新規に開設する場合に比べて大幅に費用を抑えられるケースがほとんどです。

 

4.まとめ

接骨院の施術は手技が基本で、手による施術です。しかしその施術をいっそう有効にするために、医療機器を使用する接骨院が増えています。実際に施術効果がアップする患者さんも多いため、現代では接骨院に必要な設備ともいえるでしょう。

「ヒラタメディカルサポート株式会社」は、豊富な経験を持つ開業アドバイザーが在籍しています。接骨院・整骨院の開業に携わってきた実績・経験を基に、柔道整復師の独自のコンセプトと照らし合わせながら最適な開業プランをご提案させていただきます。

接骨院の経営方針をお聞きしながら、開業場所の選定から融資のご相談に事業計画書のアドバイスまで、接骨院が無事開業できるまでとことんお付き合い・お手伝いいたします。接骨院開業などのご相談は、ぜひ当社へお気軽にご連絡ください。