接骨院を開業するための流れとは?必要な資格や手続きなどの基礎を解説

接骨院の需要は高まっており、独立開業を目指す人も急増しています。資格は持っているものの、資金調達や手続き方法、店舗の選び方など分からないことばかりという人も多いのではないでしょうか。

実際、必要な準備を忘れて開業直後に後悔する人も少なくありません。そうならないために、開業に必要な知識を身につけ、綿密な計画を練りましょう。本記事では、接骨院を開業するために知っておきたい基本的な流れを解説します。

 

1.接骨院の開業に向けて必要なこととは

接骨院を開業するに当たって重要なのが、ターゲットを明確にすることです。どんな患者さんをターゲットにするかで院のコンセプトや医療機器の種類、店舗を構える場所なども大きく変わります。

ターゲットとなる患者さんが満足するような、充実した施術を提供できれば徐々に評判も広がっていきます。そして、開業でつまずかない、失敗しないために大切なのが開業までの流れを把握し、計画をしっかりと立てることです。事業の細かな設定や資金の調達方法、手続きの種類や集客など、開業までの基本的なステップを知っておかないと、いざ開業しても保険診療ができなかったりお客さんが来なかったりという事態になりかねません。

次の章からは、開業の基本的な流れを解説します。

 

2.施術管理者の要件を確認する

接骨院を開業するには、柔道整復師の資格および施術管理者研修の受講が必須です。それぞれについて解説します。

2‐1.柔道整復師の資格

柔道整復師は国家資格で、大学や専門学校で3年以上の専門教育を受けた人が試験対象です。開業の届け出には資格取得後に実務経験が必要となっており、令和6年3月までに届け出る場合は2年間、4月以降は3年間に変更されます。実務経験は複数の機関で従事した合計でも可能で、実務経験期間を証明する書類が必要です

2‐2.施術管理者研修の受講

これまでは柔道整復師の資格のみでよかったものの、平成30年4月より資格に加え施術管理者研修の受講が追加されました。適切な療養費の申請と質の高い施術の実現を目的としており、2日間の受講が必要となります。受講後は2週間程度で修了証を受け取れます。

 

3.事業計画を立てる

どのような接骨院にするのか、具体的な案を計画書にまとめる作業を行います。院のコンセプトや対象とする患者さんの範囲、導入する医療機器などを決定し、開業資金の大まかな金額も算出します。ほかにも以下のような項目を細かく計画し、具体的な事業イメージと資金の予測を立てていきましょう。

  • 開業時期
  • 開業する場所
  • 施術メニューの種類
  • 雇用の有無
  • 保険診療と自費診療の割合
  • 診療時間

 

4.資金計画を立てる

接骨院の開業には家賃や工事費、医療機器の導入費用、人件費など多くの費用が必要となります。事業計画で大まかな開業資金を決定したら、資金の調達方法を考えます。

自己資金で賄えない部分は融資を検討しましょう。新規事業でも融資を受けやすいのが日本政策金融公庫で、ほかにも銀行や信用金庫も利用できます。

 

5.開業場所を決める

開業場所の立地が悪いと、周りから気づかれにくかったり患者さんがきてくれなかったりと経営難に陥ります。そのため、家賃の安さなどで安易に決めてしまうのは危険です。

院のコンセプトやアクセスの良さなどを考慮していくつか物件の候補を選び、実際に周辺の環境を確認しましょう。街の規模や人の流れ、同業者が近くにいるかなども重要なチェックポイントです。

 

6.医療機器を選ぶ

接骨院は基本的に手技療法が多いものの、医療機器を導入することによって治療の幅が広がり、患者さんのあらゆる悩みに対応できます。

また、医療機器の導入は他院との差別化を図るのにも役立つでしょう。目指したい治療法や院のコンセプトに合う機器を選定し、実際に自分で体験してから導入を検討すると失敗がありません。

導入費用だけでなく、機器の使い勝手やメンテナンス方法など、導入後のコストパフォーマンスを考えることも重要です。医療機器は購入のほか、リースやレンタルを活用して費用を抑える方法もあります。

 

7.接骨院のレイアウトや改装工事を行う

物件の契約後は、院のコンセプトに沿った内装のレイアウトや改装工事を進めていきます。

接骨院には構造設備基準が設けられており、施術室や待合室の最低面積、換気方法などが決まっています。基準を無視した改装はできないため、工事をする際は接骨院の工事実績が多く知識のある業者に依頼するとよいでしょう。

スタッフや患者さんが移動しやすい動線を心がけ、居心地がよく落ち着いた内装を目指しましょう。開業している知り合いや医療機器の販売業者などからアドバイスを受けるのもおすすめです。

 

8.開業に必要な手続きをする

開業のためにはさまざまな手続きが必要です。各種手続きは開業の1か月前までには済ませておくようにしましょう。主に以下のような届け出が必要となります

8-1.施術所開設届

施術所開設届がないと接骨院の開業はできません。しかし、開設届は開業後10日以内の提出となっているため、注意しましょう。そのため開業日を逆算して予定を組まれることも無くはありません。届け出に必要な書類は複数あり、保健所によって種類が異なる場合があります。不備がないように事前に確認しておきましょう。

8-2.受領委任契約の届け出

保険適用の施術を行うためには受領委任契約が必要です。保険の請求には共済組合や防衛省、労働基準局へ届け出をして、各機関の番号を取得します。

8-3.個人事業主開業届

個人事業主として接骨院を開業するなら、確定申告のために税務署にも届け出をしなくてはならないため、忘れずに行いましょう。

 

9.広告や宣伝を作成する

せっかく開業しても、接骨院の存在が知られていなければ患者さんは訪れません。開業前から認知度を上げるためには宣伝活動が不可欠です。ここでは代表的な集客方法を2つ紹介します。

9-1.オンラインでの集客方法

昨今はWEB集客が主流になっています。ホームページの作成はもちろん、SNSを活用して拡散を狙うと効果的です。

また、ホームページが上位表示されるためにSEO対策も必要でしょう。ただし、WEB集客には専門知識を要するため、素人では思ったような効果が出ないことがほとんどです。WEBで集客を狙うなら、専門知識を持つプロに依頼しましょう。

9-2.オフラインでの集客方法

高齢者も多く訪れる接骨院なら、ホームページやSNSよりもチラシやハガキといったオフライン集客が効果を発揮することもあります。また、店舗に分かりやすいのぼりや看板を立てるのもおすすめです。

 

10.まとめ

接骨院開業にあたり大切なことは、無計画で進めないことです。ターゲットやコンセプト、治療方針を明確にし、それに沿った計画をしっかりと立てましょう。

接骨院の開業にはさまざまな計画や準備、手続きが必要で、すべてを一人でこなすのは困難です。そのため、サポートやアドバイスをしてくれる存在が必要不可欠といえます。信頼できるアドバイザーを探すことも、接骨院の経営を成功に導くための重要なポイントです。

接骨院の開業をお考えの方は、ぜひ「ヒラタメディカルサポート株式会社」にご相談ください。経験豊富なアドバイザーが、治療コンセプトや経営方針をお聞きしながら、最適なプランをご提案いたします。開業場所を決めるための診療圏調査レポートや営業収支計画書、店舗のレイアウト作成などを無料で行っております。医療機器・衛生材料・備品もすべてご用意できますのでご安心ください。医療機器は販売のほか、リース・ローン・レンタルも可能です。

広告・宣伝に必要なチラシやホームページの作成も専門の業者をご紹介し、集客のアドバイスもさせていただきます。開業後のサポートも万全ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。